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時間に追われれば、とにかく手早く必要な情報を聞いてまとめよう、と能率重視になってしまいますが、時に話がそれるのも、プロフィールの楽しみ。
延々と続く自慢話や、配偶者の身体的訴えを聞き続けるのはともかく、お年寄りの昔話、数奇な運命をたどっている患者さんの話を聞くと、プロフィール聴取は、まさに取材だなと思いますね。
もっと言えば、どんな人の暮らしにも、いろんなことがあるんだなーと、学ばされることがたくさん。
離婚して家に戻ってきた娘さんがいたり、親の介護の問題を抱えていたり、一見平和そうな家庭にも、実にさまざまな問題があるってことも、よくわかりました。
また、プロフィール聴取を通してかかわった看護婦に対しては、患者さんも親近感を抱いてくださるようです。
就職して初めてプロフィールをまとめた患者さんは、悪性リンパ種で亡くなった七十代の男性でした。
彼は、私のことをとてもかわいがってくださり、他の患者さんが私のへたな採血をいやがった時も、彼だけは、「M子ちゃんが来てくれるとうれしいね」とおっしゃってくださいました。
私が注射器を持って自分のベッドに来ることを、患者さんのだれもが恐れていたのに、です。
そして実際私は、なかなか一度で血管に針が入らず、何回か針を刺すことがほとんどでした。
それでも彼は、「練習しなくちゃうまくならないよ」と、穏やかにおっしゃるのです。
ありがたいやら、自分が情けないやら複雑な気持ちでしたが、彼の温かい言葉のおかげで、今の自分がいるんだと、今も感謝に堪えません。
さんざん問診したあとも、聞き忘れたことが山ほどあって、何度も彼のところに行っては、メモをとった初めてのプロフィール聴取。
あの時から私は、彼に迷惑をかけどおしででも、今も病院のどこかに、あのプロフィ‐ルが残っていると思うと、自分の新人時代の足跡と、彼の温かい心遣いが、いつまでも残るような気がしてほっとします。
ただ、そのようななかでも、進路の相談に関するものには、なんとか返事をしたためていたつもり。
そして、そうした方から〃看護学校に入りました〃というご報告をいただき、私までうれしくなることも数多くありました。
後も、機会があれば、こうした一対一のご相談になるべく応じたい気持ちはあるのでやはり、看護婦になりたいと思い始めている、より多くの方に、生きた情報をお知らせしたいと思い、後半は、主に私の看護学校時代を中心に、まとめることにしまします。
しかし、私が看護学校に入ったのは、もう十年以上前のこと。
今とはいろいろ違うところも出ていると思うので、そのあたりは、最新の情報とあわせてお届けしたいと思っていてそれではまず、私の〃体験的看護学校の選び方″からお届けいたしましょう。
私が看護学校に入ったのは、一九八四年。
高校を出、大学を二年で辞めて、人より二年遅いスタートでした。
結局私が選んだのは、T専門学校という、全日制・三年の看護専門学校。
看護婦になるには、大きく分けて准看学校(二年制)から進学コース(全日制二年/定時制三年)を経て看護婦に進む方法と、最初から看護婦資格の取れる看護大学・看護短大・看護専門学校(全日制三年/定時制四年)に進む方法のふたつがあります。
私の場合、とにかく経済的に安く、できれば働きながら行くコースがよかったので、最初は准看護婦からのコースを考えました。
しかし、実際准看学校に行っている友人から、「働きながら勉強するのはかなりきつい」「卒業後、働かせてもらっている病院で勤務するよう強制されるので、実際にはすぐに進学コースには行きづらい」など、マイナスの情報がいくつも入ったので、准看護婦からのコースは、早いうちにあきらめましたが、今にして思うと、正しい選択だったと胸をなでおろしています。
看護婦という資格にたどり着くのに、あまりに時間とエネルギーをかけていては、他のやりたいことはやれていなかっただろうと、しみじみ思うからです。
さらに最近では、准看護婦の制度自体が、なくなる方向になってきています。
もちろん、准看護婦と看護婦がともに作ってきた、これまでの看護の歴史自体が否定されるものではありませんが、より高度な資格職として看護婦が発展していくためには、ふたつの資格に分かれていることはマイナスの面が大きい。
さらに、大手の病院では、准看護婦の採用がないところが増えていますから、実際、准看護婦を養成しても、働く場所が限られてしまうのです。
今では、准看護婦は、開業医の強い希望によってのみ、その制度としての命を長らえていると言っても過言ではないでしょう。
皆さんのなかにも、以前の私と同じように考えている方もおられると思うのですが、やはり高卒の資格(もちろん、大検も含めて)さえ持っているならば、看護婦の資格が取れる全日制三年の看護学校(これを〃レギュラー・コース〃と呼びます)への入学をお勧めします。
私としては、やはり、こうした不安定な資格をこれからの皆さんにお勧めすることはできません。
あとのほうでお金のことについてはお話しますが、看護専門学校について言えば、国公立を選べばお金がほとんどかかりませんし、多くの学校でアルバイトも可能。
わざわざ准看学校から進まなくても、なんとかなるのではないでしょうか。
それでもどうしても働きながらでなくちゃ、という人には、定時制・四年の看護学校が次善の策。
このコースだと、入学して学べば、四年で看護婦資格が取れます。
これも、行った人の話だとかなりきついそうですが、それでも、ずっと働きながら准看学校←進学コースと進んで看護婦の資格をとるのに五年かかり、なおかつあいだに進学コースの入試があることを考えると、かなり楽とのこと。
このあたりの情報って、なかなか高校の進路相談の段階では教えてくれないようですけど、実はとっても大切な情報なんですよね。
看護婦の資格を一発で取るぞ、と決めたところで、次に悩むのは、専門学校にするか、大学・短大にするか、ということでしょう。
ひと言で言えば、そのどこを出るにしても、あくまでそれは基礎教育。
看護婦としての差は、働き続けるなかで生まれてくるものですから、あまりどこの学校を出るかにこだわらなくてもいいと思います。
しかし、実際には、教育内容の差とは必ずしも関係ない差が、看護専門学校と看護短本屋さんに行けば、いろんな看護系の学校のガイドも出ているから、それを読んでまずは、選択肢の幅を広げることが大切。
また、各都道府県の看護協会(看護婦の職能団体)でも、問い合わせに応じてくれます。
大学中心になりがちな今の高校の進路指導では、看護学校の情報については不十分である場合が多いのです。
そんなわけで、ここでは、准看学校については、あえて触れません。
そうは言ってもさまざまな事情から准看学校に進む人もいるでしょう。
その方たちには、できるだけ早く進学コースに進み、看護婦の資格を取ることをお勧めしたいと思います。
たしかに、短大・大学と専門学校では、設置基準は違います。
しかし、看護学校の場合、看護婦国家資格を取る、というところで、一定の教育レベルは保証されているわけですから、こうした差をあえてつける必要はないものと思われます。
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